早く売上を上げたい人がマーケティングで何をすれば売上に結びつくか明確になる話
売上を上げるためのマーケティングの基礎編1
あなたは会社を経営していたり、個人でビジネスをされていらっしゃいますか?
基本のお話なのですが、今回はマーケティングの基礎編ということで、初心に戻り「数字のマジック」というお話をしていきます。
「売上を上げるためにはマーケティングだ!」という考えを持っていらっしゃる経営者の方は多くいらっしゃいます。
ただ、「マーケティング」という言葉ばかりが一人歩きしてしまい、良さそうなものを全部取り入れようとしてしまったりなど、結局何をすればいいのかわからなくなってしまっているという経営者の方も見てきました。
巷ではマーケティングのお話が至る所で(特にネットでは)されていますが、恐らく大きく間違っている話というのはそんなに無いと思うのが僕の考えです。正しいノウハウが沢山落ちています。
ただし、間違っているか、正しいかの問題ではなく、一体何をやればあなた自身ためになるのかと考えると、また別のお話になります。
いくら正しいことだとしても、何でもかんでも取り入れるべきではありませんし、あなたの状況や業界によっても、取り入れるべきことというのは変わってくるはずです。
そのため、まずは何をすればいいかをはっきりとさせる必要があると思っています。
なので今回は、マーケティングを取り入れる経営者が、一体何をやればいいかがはっきりとするお話です。
従って今回のテーマとしては、
マーケティングの方向性を決める
ということになります。
数字のマジック
1,売上を作る方程式とは
まず最初に、「売上のメカニズム」をお話いたします。
売上を作る要素には3つありますよね。
【客数】 × 【単価】 × 【リピート】 = 【売上】
この図式で成り立っています。
- 客数
- 単価
- リピート
=売上
売上を上げる要素は単純な話、この3つしか無いのですね。
なので、この3つを上げていけばいいというお話になります。
では、この3つをどう上げていけばいいのでしょうか?
今の売上を上げている数字を全て「1,0」(×1倍)だとして考えてみましょう。
【客数】 × 【単価】 × 【リピート】 = 【売上】
1 × 1 × 1 = 1
これはお分かりになりますよね?
1に1を掛けても1のままです。何回掛けても同じです。
この計算式の通り、売上はどんな業界でも掛け算で成り立つということが言えます。
2,売上を2倍にするには
では、この計算式の答え(売上)を「2以上」にするにはどうすればいいのでしょうか?
少し考えてみてください。
…………。
…………。
…………。
例えばこの数字のどこかを2にしたら?
【客数】 × 【単価】 × 【リピート】
2 × 1 × 1
やりましたね!
客数が2になったら売上が2になりました!
【客数】 × 【単価】 × 【リピート】 = 【売上】
2 × 1 × 1 = 2
もし単価まで2になったらどうでしょう?
【客数】 × 【単価】 × 【リピート】 = 【売上】
2 × 2 × 1 = 4
どんどん数字が上がっていきますね!
もう一つおまけに、リピートまで2にしちゃったらどうでしょう?
【客数】 × 【単価】 × 【リピート】 = 【売上】
2 × 2 × 2 = 8
最終的に8倍になってしまいました!
すごい数字です!
机上の空論
……けれど、現実的に考えてみると、実際にどうやってこの数字を全部2にして、最終8倍まで持っていけばいいのでしょうか?
難しいですよね。恐らく僕も頭を傾げます。実際にやれと言われても、どうやってこの数字を達成すればいいのか困ると思います。
現実では広告費もなしにタダで数字を増やすことができるわけではありませんし、単純に客数もどんどん増やせるわけではありません。
分かりやすく言うと、例えばコンサルタントの仕事をしているとして、自分一人でやっているとなると、自分一人しか働く人はいないわけですよね。
だから、体が一つしかない以上、単純に客数2倍なんていうことはできないわけです。
1,客数を現在の2倍にすることが難しい理由
「なんで? 2倍の数のお客様を取ればいいだけじゃないか」と思われるかもしれませんが、そうなると働く時間が倍に増えます。
24時間いつでもコンサルティングができるというわけでもないと思うので、はっきり言って難しいと言わざるを得ません。
現在、1日に8時間ほどコンサルティングに時間を使っているとしたら、その2倍で1日16時間働く必要がある……。
これは厳しいと思いませんか? しかも、売上を達成するためにこれを毎日です。しかもそれだけの数のお客様にお仕事をいただける環境も必要です。
つまり、新規客が今よりも2倍(以上)いないと成り立たない話になります。
そのお客様をどこから引っ張ってくるの? ということにも繋がります。
お店の場合も無理があります。
例として飲食店を引き合いに出してみましょう。
立地としては、例えば東京都内、飲み屋街にあるような一般的な居酒屋を想像してみください。ビル街にあるお店なので敷地は元々狭く、多くのお客様を収容することは物理的にできません。
1フロアの面積的に、4人組のお客様が10グループ、つまり全席満員でも40人程度しか入れないような立地と考えていただければいいかもしれません。
そんなお店の客数を2倍にするのはどうすればいいのでしょうか? 40人で満員のお店に80人入れることはできません。こうなると回転数を増やして、それだけ多くの席を空けることができる施策をして、1人のお客様が滞在する時間を半分にするようなお店にしなければならないでしょう。
そして、お客様が席を立ったら間髪入れずに次のお客様が入って、やはり以前の半分の時間で席を立つようなお店にする必要があります。
こう書くと、簡単な話ではないことがお分かりいただけるのではないでしょうか。
2,単価を2倍にすることが難しい理由
単価も2倍にするのは難しいです。今まで売っていたものが急に2倍の価格になったら、「いきなりどうしちゃったの?」と周りの人は思います。
新規客なら「そんなものか」と思っていただけるかもしれませんが、常連さんやリピートされるお客様にはすぐバレますよね。
「なんで価格が2倍になったの?」と聞かれるわけです。単純に、「売上が欲しいから2倍にしました」なんて言うわけはないと思いますが、理由が特にない値上げになってしまうわけです。もちろんお客様は納得いかず、買わなくなります。そして売上が却って落ちます。
それでは単価を2倍にした意味がありませんよね。
3,リピートを2倍にするのが難しい理由
ここまで来たら言いたいこともお分かりかもしれませんが、リピートも同じようにいきなり2倍にするのは難しいです。
リピートが2倍になるというのは単純に、施策自体を変えていかなければなりません。リピートしなければお客様の方が困るような商品であったり、リピートしなければ損だと思われるような施策が必要になってくるでしょう。
いずれにせよ、今のままのお客様数ではリピート数は2倍にするのは難しいです。新規客も2倍にするくらいでなければ達成できないでしょう。
色々な理由から、それぞれの項目を単純に2倍にするのは難しいと言えます。
時間をかけて色々と集客のことに力を入れていけば、いずれは達成できるでしょう。ですが、短い期間で行うのはかなり無理があります。
言いたいことは、一つを飛び抜けて数字を上げようとしても、結局他のことも絡んでいるので、それらの要因で達成するまでに困難が大きくなります。
では売上を現在の2倍にするためには?
ここで考えていただきたいのは、「1」を「2」にしようとするから難しくなるということです。
【客数】 × 【単価】 × 【リピート】 = 【売上】
1→2 × 1 × 1 = 2
この図式を達成するのは現実問題かなり難しい(というか状況によっては不可能)わけです。
けれど、それより遥かに売上を2倍にする方法はあります。どうすればいいのでしょう?
例えばこうしてみたらいかがでしょうか?
【客数】 × 【単価】 × 【リピート】 = 【売上】
1.3 × 1.3 × 1.3 = 2.1
全ての項目を1.3倍です。こうなると最終的に売り上げは2.1倍。目標達成です。
これが数字のマジック。マーケティングの不思議です。
1つのことを2倍にするのは、先ほどまで書いた通り難しいのですが、その半分以下である1.3倍ならやれないことはない数字だと思えてきませんか?
けれど、どんなビジネスをしていても、この3つが均等であるということは稀です。
【客数】 × 【単価】 × 【リピート】 = 【売上】
1.2 × 1.4 × 1.4 = 2.3
こんな感じだったり、
【客数】 × 【単価】 × 【リピート】 = 【売上】
1.4 × 1.0 × 1.5 = 2.1
こんな感じだったりするでしょう(こんなのは激安ディスカウントストアなどにありそう)。
いずれにせよ、リピートは高めな方がビジネスとしては安定します。
こう考えていくとお分かりになると思いますが、どこを重点的に注力して改善していけばいいかを考える必要があります。
例えば、あなたがコンサルティング業をしているとしましょう。
そして各数字を強化していって、売上を一番伸ばせるのはどこを伸ばしたときなのかを見つけましょう。
例として、現在の数字が以下だと考えます。先ほどまでのような1.3倍といった表し方ではなく、ここでの数字は各項目の強さの目安(パラメーター)のようなものだとお考えください。
新規客が7、単価が6、リピートが8です。この場合、計算すると単純に336になります。
この売上は金額ではなく、「この強さを計算するとこういった数字が出るよ」、という単なる強さの目安です。
【新規客】 × 【単価】 × 【リピート】 = 【売上】
7 × 6 × 8 = 336
では、この3つの項目の中で、マーケティングを行い、強化するとしたらどの要素を一番最初に優先すべきなのでしょうか?
新規客が平均的な強さ、単価が弱い、リピートが強い、というのが現在の状況になります。
強さを伸ばすか、弱みを克服するか、そのどちらでもないか、です。
では少し考えていただきたいのですが、この3つの中から1つだけ選んで、数字の「1」を足してください。
どの項目に「1」を足したときが一番大きい計算結果になるのでしょうか?
………………。
………………。
………………。
………………。
………………。
………………。
決まりましたか?
では答えを見てみましょう。
新規、単価、リピート、どこを改善すればいいかの答え
元の数字
【新規客】 × 【単価】 × 【リピート】 = 【売上】
7 × 6 × 8 = 336
「新規客」に1を足した場合
【新規客】 × 【単価】 × 【リピート】 = 【売上】
8 × 6 × 8 = ?
「単価」に1を足した場合
【新規客】 × 【単価】 × 【リピート】 = 【売上】
7 × 7 × 8 = ?
「リピート」に1を足した場合
【新規客】 × 【単価】 × 【リピート】 = 【売上】
7 × 6 × 9 = ?
どれが一番大きい数字になるのでしょうか?
答えはこちら
【新規客】 × 【単価】 × 【リピート】 = 【売上】
7 × 6 × 8 = 336
8 × 6 × 8 = 384
7 × 7 × 8 = 392
7 × 6 × 9 = 378
「一番低かった」単価を1上げた場合が、一番上がり幅が大きいという結果になりました。
つまり、一番弱い所を改善すると売上が大きくなりやすい、というのがビジネスであるということがいえます。
つまり、弱い部分が=ボトルネックだということです。
わかりやすく言うと、「足を引っ張っている部分」です。
よく、強みを伸ばした方がいいと言われることもありますが、実際ビジネスにおいては弱点を克服することで一番結果が伸びることが多いのです。
もうお分かりかもしれませんが、新規客、単価、リピートの中で一番弱い部分、足を引っ張っている部分を見つけ、そこを改善していくことが売上改善のためには一番の近道です。
あなたのビジネスで弱い部分はどこなのか?
それを日々考えながら、やるべきことを決めてきましょう!
まとめ
この話を頭に入れておくと、「今やっていることが売上につながる一番の近道であるのか」というのを見失わないで済むでしょう。
よく、何をやればいいか分からなくなってしまっている人もいらっしゃいます。
それに、売上が上がらない原因が多すぎる場合は、何が弱点なのかもわからない(むしろ全部弱点ともいえる)場合も出てきます。
結果には必ず原因があるので、その場合は原因を潰していかなければなりません。
世の中には「種まき収穫の法則」というのがあります。種をまかないと実は収穫できませんから。つまり、今悪い結果になっているならば、原因を変えていかなければならない、ということです。
僕らコピーライターは、この数字を上げる方法を、一般の方よりちょっとだけ多く知っている仕事です。
文章を書くのは仕事の中の一部分だけであって、実はこういったことを主に考える仕事です。
本質的にはマーケティングコンサルタントである、ということが言えるかもしれませんね。
いずれにせよ、弱い部分を改善していくと、本当に売上2倍というのも机上の空論でなくなる日がくるでしょう。
このお話がお役に立てれば幸いです。
山崎嵩幸