「〇〇になりたいなぁ」を引き出して購買につなげる文章に必要な要素
こんにちは。
コピーライターの山崎です。
突然な話ですが、私は割と幼い頃からゲームとか好きだったんですね。
主人公が悪者を倒しにいく、みたいな王道ファンタジーものが好きでした。
カッコいいじゃないですか。
剣でモンスターと戦って悪の親玉を倒しに行くって。
そういった物語を遊んでいる最中、自分が主人公の目線になって冒険している、といったイメージで遊んでいました。
だから物語の主人公というのは、「私自身がなりたい憧れの象徴」とも言えました。
そしてこの話に繋がるわけなんですが、物語の主人公だけじゃなくて、人は誰かに憧れていたりしますよね?
有名人、芸能人、やり手の社長、歴史上の人物、物語の主人公やスポーツ選手。誰でも構いませんよ。
人が物を買うときには、「憧れ」で買うという場合もあります。
買うことによってその憧れの人のイメージに近づけるからですね。

「よし、この商品を買ったらきっとあの人みたいになれるぞ!」
みたいな気持ちを文章で引き出せたら強いなあと思うわけですよ。
人は憧れで物を買うことがある
ちょっと考えてみてください。
「有名人の〇〇さんが食べた料理!」
なんて紹介されたら、食べてみたくなりませんか?
「へえ、あんなすごい人がこの店で食べたのかぁ」と思いませんか?
実は私はあまり思わないのですが。
まぁ私のことは置いておいていいです。
こんな風に、「有名人の〇〇も食べたんだよ」と言われると、なんの変哲もない料理でも、一気に魅力あるものに見えてくるのです。
例えばここに

ハンバーガーがあるとしますよね?
庶民が大好きなファストフード代表として出場してもらいました。
ハンバーガーってあまり高級料理のイメージがありません。
でも、このハンバーガーが「大統領が食べたハンバーガー」となったら、TwitterなどのSNSでは騒ぐわけです。
そうなったら、「大統領が食べたハンバーガーを食べてみたい!」という人が出てくるのも時間の問題です。
売れますよね。
行列作りますよね。
これって「大統領」という憧れに近づきたいからの行動です。
ほかにもこんな憧れも
私は一切吸わないのですが、こんなのも憧れの内に入りますよね。

タバコを吸う人。
今はどうかわかりませんが、タバコを吸う姿に憧れて吸い始めたという人もけっこう多いと聞きます。
あとはこんなものもそうですね。

くるま、です。
高級車が高級車たる理由は、世の権力者が乗っているからです。
だから値段が高くなり、価値も上がる。
それを買いたいと思うのは、権力者に憧れるからです。
ただ車に乗りたければ100万円以下の車でもいいわけです。
長く乗れて壊れない丈夫な車が欲しければ日本車のがいいです。
高級車は性能に優れているから高級なのではなく、ブランドがあるから高級なんですね。
で、「憧れで物を買う」。
この真意はなんなのか?
それは
物を買うことによって自分の価値を引き上げたい
からなんですね。
大統領が食べたハンバーガーを食べたら、偉い人になった気分になれるし、周りの人にも「すごい」と言われそうだから買う。
タバコを吸ったらかっこいい大人として見てもらえそうだから買う。
高級車を乗っている自分はすごい、という価値を身に付けたいから買う。
というように、「自分の価値を上げるため」に買っています。
言い方を悪くすれば虚栄心を刺激する、ということでしょうかね。
そして、それらを買えると一時的にですが、欲求は満たされて、

こうなるわけです。
ですが、人ぞれぞれ嗜好が違うように、どんな物を買うと自分の価値が上がると感じるか、は違いますよね?
なのでターゲットのリサーチをして、どんな欲求があるのかを調べる必要があるわけなんですが。
と、ここで「リサーチしなきゃいけないの?」となると、尻込みしてしまいますよね。
売上に繋げたくて入念に言葉を作るなら必要ですが、ある程度の見当をつけて作るだけならば省略して刺さりやすい言葉を作る方法ならあります。
なのでこの記事では、その方法をお伝えしようと思います。
リサーチの手間を省きつつある程度、ターゲットの憧れに刺さりやすい言葉を作るには
まず前提としてなんですが、ターゲットを設定しているということは、リサーチが甘いにしろ、ある程度のターゲットの属性や考え方、行動パターンといったものは把握していることだと思います。
例えばざっくりとしたターゲット設定があるとしますよね。
リサーチとか特にしていない状態です。
例えば商品として化粧水があるとしましょう。
ターゲットは40代の主婦。
顔のシミが気になってきて、そのケアに効果があるとうたっている化粧水だとしましょう。
だとしたら、ターゲットが細かくどんなことを考えているかまでは把握していなくても、この40代の主婦が一日のうちにどんな活動をしているのか、大雑把にはわかっているんじゃないかと思うんですよ。
大雑把でもわからない状態では、「なんでそのターゲットに設定したの?」となります。
ここまでが前提の話です。
そうしたら、そのターゲットの人の趣味嗜好というのは何となくはわかってきそうなものですよね。
なので、ターゲットがどんなものに反応しやすいかな? というのを目処をつけましょう。
以前に書いた「無意識に「欲しい!」を引き出す言葉の8要素と用法例」でもあるのですが、この8要素をベースに考えます。
簡単に書きますが、以下の8つです。
- 生き残って人生を楽しみたい
- 飲食をしたい
- 危険や恐怖から逃れたい
- 性欲を満たしたい
- 快適に暮らしたい
- 他人に勝ちたい
- 大事な人を守りたい
- 社会的に成功したい
ターゲットの置かれている状況や生活の中から、この8つの欲求が生まれてきます。
この中から、ターゲットに最も刺さりやすいのは何だろう?
と考えてゆきます。
例えばですが、ターゲットの主婦は昼間パートに出ているとします。
パートに出るということは、外出するということ。
普段から人の目に晒された状態になります。
だから、恥をかきたくないターゲットは、顔のシミが気になるわけです。
女性の美はアイデンティティですから。
こんな状況があるとしたら、8つの欲求のうち何に絡んでくるのでしょうか?
主婦であっても男性の目が気になる人であれば、「性欲を満たしたい」が当てはまるでしょうし、他の女性よりも美しく見られたいのであれば「他人に勝ちたい」。
今よりもっと美しくなることで得られる目標があるならば、「社会的に成功したい」も当てはまるでしょうね。
この状況だけでも、3つの欲求に絡んでくるかも、という予想はできるわけです。
ただこの場合、他の状況がわからないので、単純に「他人に勝ちたい」の欲求が強くなりそうな気もします。
広告に載せる言葉としては、そこに焦点を絞った言葉にするのが効率いいでしょうね。
「この化粧水を使うと不特定多数の人よりも美しく見られる」
ということを喚起させられれば御の字です。
例えば「潤い続くパッと振り返り肌」というような。
周りの人に振り返って欲しいとターゲットが思っているかは、今の時点ではわかりませんよ?
こんな表現ができるよね、という例です。
まとめると
ターゲットがどんな憧れ像を持っているかによって、伝えるべき言葉が変わります。
それを知るためにはリサーチしかないのですが、リサーチの手間を省くとしたらここでお伝えする方法が使えます。
ただ、その場合言葉の反応率はどうしても下がります。
結局は地道なリサーチが一番効果があるといえます。
ターゲットの憧れている相手がわかったらしめたものですね。
今日も最後までお読みいただき、ありがとうございました。
山崎